ドジャース・大谷翔平投手は、3月26日6時45分(日本時間)に、水原一平通訳が違法賭博問題で解雇された件に関して、声明文を発表しました。
大谷翔平の会見フルバージョン↓↓
— ELi (@sweePhillips59) March 25, 2024
大谷選手は会見にて、自分が一切賭け事に関わっていないこと、数日前まで水原氏の違法賭博に関して一切何も知らなかったこと、「結論から言うと、彼が口座からお金を盗んで、僕の周り、みんなにうそをついていた」と語りました。
しかし、世間からは「水原氏が1人であんなに多額の送金をできるわけがない」と、大谷選手の発言に疑問を呈する声も挙がっています。
大谷翔平マジで水原一平が送金してたんしらんかったん?
やとしたら詐欺師、ハッカーとしての才能ありすぎやろ
勝手に送金なんて普通無理やろ— 進み続ける人🧖🏻 (@CT8t8OqXaezCUae) March 25, 2024
しかし、アメリカには「Check Writing Privileges」というシステムが存在し、アメリカの銀行口座で口座名義主が選んだ人間に付与でき、オンライン電子送金にも利用ができるものとなっています。水原氏は、これを利用して多額の送金を行ったのではないでしょうか?
本記事では、「Check Writing Privileges」とは何なのか、水原氏が7億円もの大金を大谷選手の口座から送金した方法についてまとめたいと思います。
Check Writing Privilegesとは
「Check Writing Privileges」とは、日本の銀行でいう「代理人権」「振込代理権」にあたり、アメリカの銀行口座で口座名義主が選んだ人間に付与できるシステムのことです。
Check Writing Privilegesは、オンライン電子送金にも利用することができ、代理人は最大50万ドルまでオンラインで送金可能です。
この方法を使うと、送金名義は本人で、代理人が自由に送金でき、銀行からの問い合わせには代理人が答えることができます。
この方法で限度額の50万ずつを「ローン」で送金していた
“水原一平氏は説明翻した” 米メディア記者 やりとり明らかに こちらの記事によると、
アメリカのスポーツ専門チャンネルESPNのティシャ・トンプソン記者は、これまでの取材で関係者の言い分が一致していることとして、少なくとも450万ドルが送金され、去年の一定の期間に50万ドルずつ送金されたことを挙げました。
引用:https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240323/k10014400311000.html
また、大谷翔平の通訳・水原一平氏の違法賭博問題、米ESPNが取材経緯を時系列で公表 こちらの記事のよると、
彼ら2人は大谷のコンピューターで大谷の銀行口座にログインし、数カ月にわたり8~9回の電信送金を行い、50万ドルずつ送金した。取引の説明欄には「ローン」と記載した。
引用:https://www.zakzak.co.jp/article/20240323-RS2V4CE7YBIR3IBN67XJOOWNPM/2/
とあり、
- 振込はオンライン電子送金で行ったこと
- Check Writing Privilegesでの送金限度額である、50万ドルずつの「ローン」で送金していたこと
が分かります。
この方法を使えば、本人を介さずに、50万ドル × 9回 = 450万ドル(約6億8000万円)を送金できるということで辻褄が合います。
大谷選手に一切バレずに送金できる唯一の手段
イリノイ州にある法律事務所のホームページ内のコラム「他人に自分の銀行口座へのアクセスを許可する 4 つの方法」内で、「Check Writing Privileges」について書かれていました(参照)。
Power of Attorney Document(小切手記入権限)を銀行口座に付与することで、委任状なしで代理人による送金が可能になる、と記載があります。つまり、銀行口座を開設する際に最初に「小切手記入権限」を付与してしまえば、それ以降は50万ドル(約7,500万円)までであれば自由に送金が可能になるということです。
また、送金に関する銀行からの問い合わせにも、口座を所有している本人ではなく、代理人が答えることができるので、大谷選手に一切バレることなく送金を行うことができたと考えられます。
大谷翔平本人にバレる可能性は?
大谷翔平選手本人にバレる可能性としては、Check Writing Privileges にて送金したとしても、
- 口座名義人である大谷翔平選手本人にメールなどで通知がいくのではないか?
- 送金時に2段階認証コードが大谷翔平選手本人には届かないのか?
- 9回も送金していて一度も大谷翔平本人は気づかないものなのか?
という疑問が浮かびます。50万ドルという大金を、9回も送金しているわけですから、システム的には本人を全く介さないとは言え、本当に気づかないものなのかな?と思ってしまいます。
とはいえ、通訳として、銀行口座に関するあらゆる情報を信頼を置いていた水原一平通訳に任せていた可能性は多いにあります。
#モーニングショー 通訳は口座開設・納税手続き・家探し・病院同行など全てこなす。極端な場合、アクセス時の暗証番号や送金時のワンタイムパスワードも通訳任せだった可能性も。色々つらい
大谷のコメント全文 違法賭博問題
「彼が口座からお金を盗み、皆に嘘をついていた」https://t.co/conr6IbNwL pic.twitter.com/mIKm1kfyqs— 盛田隆二 🌐™ (@product1954) March 26, 2024
米国富裕層ならCheck Writing Privilegesでオンラインで大金を送金できる為、気づかなかったのだろうか。"野球少年"男性ならば気付かないことも有り得る…。
米国の30代40代のスポーツブック依存はコロナが始まった辺りから周囲でも急に増えており、その額は日本人には考えられないほど大きい。 https://t.co/Yr7cXwToaG— 桜の咲く家 (@housekokokara) March 26, 2024
大谷翔平選手と水原一平通訳は、公私ともに親交が深く、大谷選手も水原氏を100%信頼しきっていたのでしょう。大谷翔平選手が声明文の中で話した「悲しい」「ショック」という気持ちは、我々には計り知れないほどで、心に傷を負ったのではないかと心配です。
世間の声
ローンって記載したのなら、大谷選手は単純にローンだと思って払ったのかと
まさか、賭博とは知らずに#ひるおび— ニャゴ星 (@nyagonyago_sei) March 25, 2024
Check Writing Privilegesという代理人権限を与えられた人が上限50万ドルでお金を動かせるシステムがある、というのを大谷の件で初めて知った。怖すぎる。50万ドルやで。
— Count Vampire Smith (@Vamp_xxx) March 26, 2024
大谷が過去、こんなにも悲壮感を漂わせた顔を見せたことがあるだろうか…
そのうち水原氏の奥さんへの支援なんかもこっそり始めるんだろうな。
そういう男だよな。#大谷の会見 pic.twitter.com/Ym8Rf9wVt2— たつや (@tatsuyaaaa30) March 26, 2024
大谷翔平選手の声明文(全文)
まず皆さん来ていただいてありがとうございます。僕も話したかったので、うれしく思いますし、チームの関係者、僕自身もそうですが、ファンの皆さんもここ1週間くらい、メディアの皆さんも含めて我慢とご理解をしていただいたのは凄くありがたいと思っています。まず、僕自身も信頼していた方の過ちというのは悲しく、ショックですし、今はそういうふうに感じています。
現在進行中の調査もありますので、今日話せることに限りがあるというのをご理解していただきたいのと、今日ここに詳細をまとめた、分かりやすく皆さんにお伝えするためのメモがありますので、何があったのかをまず説明させていただきたい。
まず初めに、僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それを頼んだりということもないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことももちろん全くありません。数日前まで、彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした。結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ皆に嘘をついていたというのが結論。
まず始めに言うと先週末、韓国ですね。僕の代理人に対してメディアの方から、違法のブックメーカーに僕が関与しているのではないかという連絡がありました。一平さんはこういった取材の依頼があるということを、僕に話していなかったし、僕の方にそういった連絡は来ていなかったということ。代理人は、僕と話して分かったのは、一平さんにではなく、某友人の肩代わりの借金として支払ったと、僕の代理人を含めみんなに話していた。
翌日、さらに尋問で一平さんは僕の代理人に対して、借金は一平さん自身が作ったものだと説明しました。それを僕(大谷)が肩代わりしたという話を、その時に代理人に話したそうです。これらは全く、全てが嘘だったということです。
一平さんは取材依頼のことを僕にはもちろん伝えていなかったですし、代理人に対しても僕はすでに彼と話して、コミュニケーションをとっていたと嘘をついていました。チームにも、僕とコミュニケーションをとっていたと嘘をついていました。
僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国の第1戦が終わった後のチームミーティングです。そのミーティングで彼は英語で全て話していたので、僕に通訳はついておらず、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容だろうなと理解していましたが、なんとなく違和感も感じていました。
彼は僕に対して、ホテルに帰った後で2人でより詳しいことを話したいので今は待ってくれと、その時はホテルまで待つことにしていました。一平さんがその時、ミーティングの時にギャンブル依存症だと知らなかったし、彼が借金をしていることはもちろん知りませんでした。彼の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対して送金をしてくれと頼んだことも、許可したことももちろんないです。
試合後、ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました。彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたと僕に伝えました。「正直ショックという言葉が正しいとは思わない」
僕はやっぱりこれはおかしいなと思い、代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。話が終わって、代理人も彼に嘘をつかれていたと初めて知り、ドジャースの皆さんと、弁護士に連絡しました。彼らも初めて嘘をつかれていたとその時に知りました。弁護士の人からは、窃盗と詐欺で警察と当局に引き渡すと話されました。
これがそこまでの流れ。僕はもちろんスポーツ賭博に関与していないですし、送金をしていた事実は全くありません。正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚で1週間過ごしてきた。うまく言葉にするのは難しいなと思っています。ただ、シーズンも本格的にスタートするので、ここからは弁護士の方にお任せしますし、僕自身も警察当局に全面的に協力したいと思う。気持ちを切り替えるのは難しいですが、シーズンに向けてまたスタートしたいですし、お話しできて良かったと思っている。今日は質疑応答は、これがお話できる全てなので、質疑応答はしませんが、これからさらに進んでいくと思います。
以上です、ありがとうございました。
まとめ
今回は、「Check Writing Privileges」とは何なのか、水原氏が7億円もの大金を大谷選手の口座から送金した方法についてまとめました。
まだ真相が全て解明されたわけではないのでなんとも言えませんが、潔白を証明した大谷選手が、試合に集中できるよう、少しずつ調子を取り戻していってほしいと思います。