2024年4月30日、Xにて「風呂キャンセル界隈」というワードがトレンドにあがりました。
これに対して、
トレンドに風呂キャンセル界隈ってあったけど、汚いし臭いから風呂入れって感じだし、うつ?知らねーよ臭いし汚いから風呂入れって感じだし
私には理解できない
という声があるようなので、今回は「風呂キャンセル界隈」の当人である筆者の体験談を交えて、解説してみたいと思います。
「風呂キャンセル界隈」ってなに?
「風呂キャンセル界隈」とは、
風呂をキャンセルする、つまり入浴しない(できない)ことが日常的に発生する人たちを表す表現です。
引用:https://news.yahoo.co.jp/articles/1098f231188a41ca9d90fcd4362d2d6dd557a677
です。
これだけ見ても、普段何気なく、習慣のひとつとしてお風呂に入れている人にとっては意味不明でしょう。
風呂キャンセル界隈=うつ病などの精神疾患持ちが多い
「風呂キャンセル」という軽いかんじのネーミングなので、単にめんどくさくて入らないだけだと思われがちですが、そういうわけではありません。
お風呂に入ろう、身体を綺麗にしようという気持ちはありつつも、行動に移せるだけの気力が残っていないのです。
うつ病などの精神疾患を持っていると、
- 着替える
- ご飯を食べる
- 人と会うために化粧をしたり身なりを整える(そもそも人と会えないが)
- ゲームやスポーツなどの趣味をする
- 読書をする、創作活動をする
といった、これまで普通にできていたことができなくなります。
今まで普通にできていたこと、好きだったことが、全て関心がなく、億劫に思えてしまいます。
筆者の風呂キャンセル体験談
筆者自身、「風呂キャンセル界隈」という名前が登場する何年も前から、双極性障害と適応障害によるうつ症状でお風呂に毎日入れていませんでした。
当時、正社員として仕事をしていましたが、帰宅するとそのままの服装で布団に入り、泥のように眠り、次の日服だけ着替えて出社するということをしていました。
仕事に行けていたときはまだよかったのですが、病状が悪化して休職するようになってからは本格的に風呂に入らなくなり、数日間入らないことも普通にありました。
現在は、長年の通院を経て、一応毎日お風呂に入ることはできています。しかし、風呂に入るまでに、3時間くらいかかってしまう状況は続いています。
風呂に入る工程のどれが嫌なのか
で、一口に風呂に入るといっても、どの工程が嫌なのかというと、
- 風呂場まで移動する(特に寒い冬場は布団から出るのがきつい)
- 服を脱ぐ
- 髪や身体を洗う
- 髪を乾かす
- 後片付けをする
- 洗濯機をかける
この、全行程を行わなければいけないということがとてつもなく重労働に思えてしまうのです。
うつ病などの精神疾患をお持ちの方は、もともとは几帳面だとか、綺麗好きの方がけっこういらっしゃるように思います。そうなると、一度お風呂に入る動作を開始すると、全行程を徹底的に遂行する方が多いと思うんです。
風呂場の掃除だったり、脱衣所を整えたり、髪をしっかり乾かしたり・・・・。
一度お風呂に入ってしまうと、なんだかんだやることをやるので、終わったあとかなり疲れてしまいます。そして、風呂に入る=重労働というイメージが刷り込まれていくのです。
風呂に入れないときの便利アイテム
風呂に入れないという状態を経験した筆者からすれば、無理に風呂に入る必要はないと思っています。
だって、入ろうとしたって身体が動かないから・・・・。
なので、風呂に入るというミッションではなく、どうやってニオイを抑えるか、というほうを考えたほうが楽です。
- メリット デイプラス ドライシャンプーシート / 12枚入 / バーベナ&レモンの香り
うちにも常備しています。ボディーシートみたいに1枚ずつ使えて、爽やかな香りで使いやすいです。
- Diane ドライシャンプー (水のいらないシャンプー) 無香料 ダイアン パーフェクトビューティー
こちらは筆者は使ったことないですが、Xでは「ダイアンのドライシャンプーがいい!」という声が多く挙がっていました。
当事者たちの声
ここからは、「風呂キャンセル界隈」当事者の方の声をまとめます。
風呂キャンセル界隈が話題になっていますが、鬱だとまじでそうなる
いざ風呂を沸かしてはいるとふやけるまで入るし、この前は風呂から出れなくなって(意志の問題)お湯を抜いたら出るだろと思い栓を抜いたのにそのまま浴槽に寝転がって全然出なかったりする
本当に精神やられてるんやなと自覚します— べびぶるー (@babysyrma) April 30, 2024
めちゃくちゃ分かります。やるか、やらないか、なんですよね。
一度風呂に入るとなったら徹底的に入っちゃう。
風呂キャンセル界隈だけどそもそも鬱の時に起き上がることすら無理、かろうじて湯船に浸かるまでができても風呂からでるのがしんどすぎて数時間湯船にいることもざら
— ぶた (@641_jas) April 30, 2024
うつ状態のときは起き上がることすらできない、これなんですよ・・・
風呂に限らず、食事も、トイレも億劫になります
トレンドの「風呂キャンセル界隈」ってやつ、鬱病の人間から言うと「嫌い」じゃなくて「入れない」が正しい。入った方が鬱に良いのも知っている、でも入れない。あと、風呂に入れないという事は、当然のように歯も磨けなくなる。薬と歯が磨けない影響で、僕は40代で入れ歯になった。皆さん気を付けて。
— しらちゃん (@ysyays) April 30, 2024
そうそう。風呂だけじゃなく歯磨きもしなくなりますよね
まとめ:なってみないと多分分からない
今回は、「風呂キャンセル界隈ってなに?」というテーマで記事を書きました。
風呂キャンセル界隈とは、風呂に入りたくても入れない状態のことを指し、主にうつ病などの精神疾患を抱えている人が多いことが分かりました。
経験者として当時のことを書いてみたものの、こればっかりは当事者しか分からないんじゃないかと思います。だって、客観的に見れば「何言ってんの?風呂くらい毎日の習慣だろ。汚いから入れよ」という意見もごもっともだと思います・・・・。
それでも、うつ状態になると人間活動の何もかも、やる気がなくなってしまうんですよね。なかなか理解されにくいことなので、今回SNSで話題となり、理解してくれる方が少しでも増えたなら嬉しいと思います。