マイナポイントが使われすぎて年間利益が吹き飛んだ セブン銀行の誤算について分かりやすくまとめ

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国のマイナンバーカード普及施策として行われた「マイナポイント」のキャンペーン。

一時期はCMで何度も放送されていたので、マイナポイントをゲットするためにマイナンバーカードを作成したという方もいらっしゃるのではないでしょうか?

しかし、ここにきてセブン銀行が悲鳴をあげました。

セブン銀行が行った今2023年4~12月期決算説明会で、清水健執行役員(現常務執行役員)は「12億円ほどのマイナスを計上した」と発表しました。理由としては、

「マイナポイントが予想以上に使われすぎた」

ということだといいます。今回は、この出来事について分かりやすく解説します。

「マイナポイント」キャンペーンについて

引用:https://www.nanaco-net.jp/information/mynumbercardpoint.html

マイナポイントは、2020年から第1弾、2022年から第2弾が行われ、2023年9月までに計7556万人の利用者が、マイナポイントを申請しました(参考)。

マイナポイントは、クレジットカードやQRコード決済、電子マネーで受け取ることができ、全国のセブンイレブンに設置されているセブン銀行ATMでもポイントを受け取ることができました。

なぜ、マイナポイントが使われすぎたのか?

では、なぜ「マイナポイントが使われすぎた」という事態に陥ったのでしょうか?

原因は「ナナコ」を運営する子会社セブンカード

引用:https://www.nanaco-net.jp/introduction/

この原因は、電子マネー「nanaco(ナナコ)」を運営する子会社であるセブン・カードサービスにあるといいます。

セブンカードも、総務省が実施する「マイナポイント事業」において、キャッシュレス決済サービスとして参画しました。

しかし、付与したナナコポイントが想定以上に使われた結果、12億円ほどのマイナスを計上することになりました。

なぜナナコだけこんなことになってるの?

では、なぜナナコだけこのような事態に陥っているのでしょうか?その原因は、ナナコポイントには有効期限が存在するためです。

当年4月1日から、翌年3月末日までに加算されたポイントは、翌々年の3月31日までご利用いただけます。

※有効期限内にポイントをご利用いただけなかった場合、ポイントは失効となります。

引用:ポイントについて知る(nanacoポイント)

楽天ポイントなどでは、マイナポイントが期限なしの通常ポイントになりますし、PayPayなどのQRコード決済もポイントに期限はありません。

しかし、ナナコポイントには失効期限があります。

事業者は「失効率」をもとに事務局から補助金がもらえた

マイナポイント事業に参画した事業者は、あらかじめ「失効率」をマイナポイント事務局に提出していました。

事務局からもらった補助金をポイントに充てれば、失効分は事業者の利益となります。

第1弾のときは、失効率と実際の使われ方に大きな差はありませんでした。しかし、第2弾では、セブンカードの予想よりも多くナナコポイントが使用された結果、失効するポイントが減り、損失が生まれることとなりました。

セブンカードの「失効率」の誤算が赤字の原因

セブンカードの「失効率」の算出は、普段使いでポイントを散財的に使う人をメインに想定していました。

ところが、実際にはマイナポイントは「一気に」使われるケースが多い結果となりました。

結論、セブンカードの失効率の算出の誤算が招いた結果と言えるでしょう。

世間の声

セブンイレブンでは、nanacoを商品の購入のほか、コピー代、切手代、そして税金や公共料金などの収納代行でも使うことができます。こちらに全て充てたという声が目立ちました。

マイナポイントは最大2万円分のポイントを受け取ることができたので、ポイント目的で申請した人がそのポイントを失効させるわけないというのも全うな意見だと思います・・・。

そもそもナナコポイントの有効期限が短すぎるという声も。

失効率の申告を低くすれば、損失を防げたという意見。確かになぜこんなに甘く見積もってしまったのでしょうか。

まとめ

今回は、「マイナポイントが使われすぎて年間利益が吹き飛んだ セブン銀行の誤算について分かりやすくまとめ」というテーマで記事をまとめました。

失効率の申告は予測値なので、算出は難しいところもあったかもしれませんが、予想以上のポイント利用で年間利益が吹き飛んだというのは、セブンペイの失敗を思い出すような大きな損失ですね。

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