可愛い猫ちゃんの素材と「ハッピーハッピーハッピー♪」チピチピチャパチャパ♪ドゥビドゥビダバダバ♪」といった特徴的な音楽とともに、失敗談や過去に病気になったエピソード、ブラック企業の一日などを面白おかしく動画にした「猫ミーム(猫マニとも呼ばれる)」が現在一大ブームとなっています。
YouTubeやTikTokで見かけたことのあるという方も多いのではないでしょうか?私も楽しく拝見していたのですが、とある猫ミームに筋肉ムキムキの米津玄師さんが登場し、「ハッピーハッピーハッピー♪」と音割れしたちょっと不気味な歌声とともに出てきたのでビックリしてしまいました。可愛い猫ちゃんたちの素材とは打って変わって、もはやグロテスクというか、怖い印象がありました・・・(でもそれだけインパクトが強くて動画としては面白いものになっていましたが)
そこで、なぜ猫ミームに米津玄師さんの素材が使われているのか、気になって調べてみることにしました。また、米津玄師さんの素材って、著作権的に大丈夫なの?と不安にもなったのでそちらも調査してみたいと思います。
ハッピー米津玄師が出てくる猫ミーム
まず、「ハッピー米津玄師」を見たことのない方向けに、ハッピー米津玄師が素材として使われている猫ミームを以下に載せます。
こちらの動画、登録車数が約2万人の方が投稿している動画ですが、3/13現在371万回再生となっています。「猫ミームの動画は誰が出しても再生数が稼げる」なんて言われていますが、実際に登録者数が少ない方や、普段の動画の再生数が少ない方でも猫ミーム動画をあげた途端再生数が爆上がりしているというパターンを多くみかけます。
で、この「ハッピー米津玄師」ですが、元の「ハッピーハッピハッピー♪」と比べると威圧感・迫力が増し、動画にインパクトを与える存在となっています。
元の「ハッピーハッピハッピー♪」はこちら
元の「ハッピーハッピハッピー♪」はこちら。
この曲は、元はsuper simple songs の「my happy song」という楽曲です。「ハッピー米津玄師」と比べると、猫ちゃんも可愛くてハッピーな雰囲気が伝わってきますよね。
これに比べて「ハッピー米津玄師」はちょっとホラー感さえ覚えます。では、「ハッピー米津玄師」はなぜ素材として誕生したのでしょうか?
「ハッピー米津玄師」が素材になった理由は?
「ハッピー米津玄師」が誕生したきっかけは、米津玄師さんの楽曲「KICK BACK」という曲が元になっています。この曲の歌詞に
ハッピーで埋め尽くして
ハッピー ラッキー こんにちはベイビー
という部分があります。メロディーは「ハッピーハッピハッピー♪」とはまるで違っていますが、誰かがこの「ハッピー」の部分を切り取って音を加工したものと思われます。
「ハッピー米津玄師」はなんでムキムキなの?
「ハッピー米津玄師」は音の圧もさることながら、米津さんの腕がムッキムキになっているところもインパクトが大きいですよね。なぜこんなにムキムキな腕になっているかというと、こちらも元ネタは「KICK BACK」のミュージックビデオにあります。
「KICK BACK」のMVでは米津さんが筋トレをしたりプロテインを飲んだりして、1:10~あたりからムキムキの米津さんが登場します。
これを素材にして、腕を上下に動かす「ハッピー米津玄師」が作られたことが分かります。
米津さんが猫っぽい・猫好きというエピソードも起因している?
米津さんは「猫好き」としてファンのあいだでは知られています。米津さんのオフィシャルサイト「REISSUE RECORDS」では、猫をモチーフにしたグッズも売られています。
「リイシューちゃん」という名前のようです。とっても可愛いですね!
また、米津さんご本人もどことなく猫に似ているということから、猫ミームの素材として使われるようになったと考えられます。
視聴者からは「音圧がすごい」「笑っちゃう」との声
猫ミームの視聴者からは、「ハッピー米津の音圧がすごい」「ハッピー米津が出てくると笑っちゃう」などの声があがっています。
猫ミームは米津玄師が1番好き
— りあ (@Wow_kugipunch) March 11, 2024
猫ミームに米津入れるのやめてツボる
— かふぇおれ* (@k_af_eo_re_) March 10, 2024
「ハッピー米津玄師」の著作権は大丈夫なの?
ここで筆者が気になったのは、猫ミームの「ハッピー米津玄師」の著作権侵害は大丈夫なのか、という点です。
猫ミームの「バナナ猫」「ハッピー猫」などの多くの素材は、他人がその素材を利用して猫ミーム動画を作ることを承諾しているようですが、「ハッピー米津玄師」は元々は米津さんの楽曲「KICK BACK」のMVが素材になっており、著作権者から許可をとっているとは到底思えません。
著作権者は元の動画を変形して利用する権利(翻案権)を独占して持っており、逆にいうと、著作権者以外の人が元の動画を加工して素材にするのはアウトということです(参考)。
もし訴えられたらどうなるの?
著作権侵害が著作権者に発覚すると、動画の削除を求められるだけでなく、損害を賠償する義務が生じる場合があります。
過去には、ブログ記事や写真などの転載により、10万~100万程度の損害賠償請求が課された事例があります(参考)。
つまり、「ハッピー米津玄師」の素材を使用することは、著作権侵害に当たる可能性があり、損害賠償のリスクがあるということです。猫ミーム動画を作ろうと考えている方は、「ハッピー米津玄師」の利用は控えたほうが良いかなと思います。
まとめ
今回は、なぜ猫ミームに米津玄師さんの素材が使われているのか、また、米津玄師さんの素材って、著作権的に大丈夫なの?という点について調べてみました。
「ハッピー米津玄師」は、他の可愛らしい猫ちゃんたちとは違って動画に大きなインパクトを与えられるので、視聴者からすると「ハッピー米津おもしろすぎる」「ハッピー米津が出てくると笑いを抑えられない」という意見が多いものの、元ネタが米津さんの楽曲「KICK BACK」のMVにあることから、著作権侵害という観点から考えると使わないほうが良いのかなと思いました。
他にも、猫ミームの素材で、作成者の承諾がないものは訴えられてもおかしくはないので、使わないほうが無難だと思います。
(視聴者としては、面白い動画だったら何も考えずに楽しんでしまいますが・・・!)。。。まだまだ猫ミームのブームは続くと思うので、動画作成者の方は上記の点に注意しつつ、面白い動画が公開されるのを楽しみに待ちたいと思います!